皆さんは、月桃(ゲットウ)という植物をご存知でしょうか?
今回は、台湾原住民の文化と深く関わっている「月桃」を紹介します。
この記事を読むことで、
- 月桃とは何かがわかる!
- 台湾原住民と月桃の関係性がわかる!
- 本場の月桃編物工房を紹介!
それでは、本編スタート!
月桃について
月桃(ゲットウ)は、沖縄や奄美大島、台湾などの亜熱帯地域に咲くショウガ科の植物です。沖縄では”サンニン”とも呼ばれています。
三日月のような葉、桃に似たつぼみを付けることから付いた名前だとか。
月桃の葉で餅を包んだ沖縄の伝統菓子「ムーチー」を食べたことのあるなら、馴染み深いかもしれません。
台湾原住民と月桃
台湾の月桃はひんやりした湿っぽい環境を好むため、原住民族が多く住む花蓮県や台東県の沿岸部に多く生息しています。
月桃と台湾原住民の関係は古く、彼らにとって生活必需品でもあります。
排灣族(以下、パイワン族)の間では大変貴重な植物「神奇植物」とされており、花、茎、種まで余すことなく使います。月桃の葉で編まれるものは、カゴから棺桶まで日用品以外のモノまで多岐にわたっており、今では台湾原住民の伝統工芸として認知度がとても高いです。
実際に職人さんの手で月桃のカゴができる過程を知りたい方は、以下の動画を見てみてください!
月桃の作用と効果
見た目が美しい月桃ですが、前述したとおりショウガ科の植物ということもあって身体にも良い成分や作用があるんですよ!
月桃の葉や花には独特の香りがあり、その効果は多岐にわたります。
沖縄のムーチーを月桃の葉で包むのは、防虫効果と香りづけから来ると思われます。
月桃の葉を使ったお茶はリラックス効果があり、ポリフェノール(抗酸化作用)などの栄養もたくさん。さらにコラーゲン合成の促進作用もあることから、化粧水などに配合されることもあるんです。
美容意識の高い方は必見です。
▼月桃の作用・効果
- 抗菌/殺菌
- 防虫
- 消臭
- 心身のリラックス
- 不眠改善
- 集中力の向上
- 抗酸化作用 など
【行ってほしい】月桃の編みかご工房を紹介
台湾に行けば少なからず都市でも月桃の編みかごを目にすることができると思います。
でも、どうせなら職人さんの工房でその素晴らしい作品を手に取って見てほしい。
そんな思いから花蓮県、台東県にある”行ってほしい”工房を紹介します。
ぜひ、立ち寄ってみてください!
月桃戲
オーナーの黃芳琪さん、大学時代のある日に月桃で編まれた敷物の上で寝てたとき、肌触りの気持ちよさと独特の香りに触れたことをきっかけに月桃の道に進みました。原住民族のお師匠さんのもと何年も修行し、花蓮県で工房を開きました。
「自然との共生」「伝統工芸の文化保存」「生活」をテーマに、DIY商品の販売、ワークショップの開催などを通して月桃の文化を広める活動をしています。
興味ある方はこちらをチェックしてみてください。
月桃戲
住所:花蓮市博愛街159-2
電話:0919-187684
営業時間:14:30~21:00
Facebook:https://www.facebook.com/alpinia.play
卡塔文化工作室
「”台湾を代表する植物といえば?”と聞くと”竹”だと答える人が多い。しかし私は、月桃こそが台湾を代表する植物だと思っている。しなやかさと強靭さを併せ持つ台湾に似てるでしょう?」と語るのは工房責任者の林秀慧さん。
パイワン族出身の林秀慧さんは10年前、パイワン族、ブヌン族、ルカイ族、アミ族の女性を率いて工房を開きました。月桃の編物を含めた原住民族の文化継承に貢献しています。
卡塔文化工作室
住所:花蓮市博愛街159-2
電話:0919-187684
営業時間:平日9:00~17:30
Facebook:https://www.facebook.com/atabeads/
石山倉庫
石山倉庫がある石山部落は、過去3度にわたり移動をしながらもアミ族の伝統文化を守ってきました。集落の女性を中心に月桃帽子をはじめたくさんの工芸品が集まった市場が、石山倉庫です。月桃編物を台湾に広めたパイオニアとして今では”月桃部落”と呼ばれるほどです。
集落には観光資源も多く、月桃以外のコンテンツも楽しめます。詳しくは下記のHPをチェックしてみてください。
住所:台東市中興路二段191号13 倉庫
電話:0912-788651
営業時間:月曜日~土曜日10:00〜17:00
公式HP:https://kakawasan.com
Facebook:https://www.facebook.com/kakawasan/
さいごに
月桃、いかがでしたでしょうか?
日本ではあまりなじみがありませんが、これを機に興味をもっていただけたら嬉しい限りです。
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※本文は以下の記事を参考に執筆しております。
https://smiletaiwan.cw.com.tw/article/4604